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進化したインプラント 費用

設備をどんどん購入すれば、結局それを償却しなければいけないという思考が働く。 だから患者に別にトラブルが生じないとすれば、まあ検査しておこうということもあり、再検査という形になる。
これは病院の収入になる。 このコストはかなり大きいと予想される。
たとえば血液検査とCTを2回やれば2倍のコスト、3回行えば3倍になるわけだから、重複検査は絶対に減らすべきだ。 たとえばA病院で血液検査を受けていて、そのあとB病院にいってまた血液検査を受けるということになれば、2ヵ月に1回ならともかく、違う病院で連続してということになり、ちょっとおかしなことだ。
病院によって治療費が異なる病院による治療費の格差というのは、いま徐々に明らかになってきている。 ちょっと専門的な話になるが、DRG(ダイアグノーシス・リレーティッド・グループ)という手法がある。
ダイアグノーシスというのは診断、リレーティッドは関連、グループというのは分類だ。 ある診断群ごとに値段とか入院期間のばらつきを調べるということだが、いま厚生労働省が調査をしている。
その結果には、ものすごい差が出ている。 5つの病院で同じステージであっても治療費に大きな差があることがわかる。

たとえばステージ5では2倍の差だ。 ステージとはがんの進行段階を示す病期のことである。
値段に関しても入院期間に関しても、同じ病気でこんなに違いがあるのか、ということがよくわかる。 ただ、難しい点は、病気の重症度によって違う可能性があるということだ。
同じ糖尿病でも合併症があるものとないものでは、違う疾患といってもいいから、それを補正しなければならない。 虫垂炎など、普通なら「このくらいの経過で」ということがわかりそうな病気でも、結構ばらつきがある。
腹膜炎とか、あるいは癒着といった合併症が起きると、費用は急に高くなる。 いま厚生労働省は、その区別を値段で行おうとしている。
少し難しいがいままでは病名で区別していたのだが、そうではなく値段で決めるというのがDRGの考え方のひとつだ。 同じ虫垂炎でも合併症が起きた虫垂炎にかかる費用はすごく高い。
だったら、この病気は虫垂炎だけれど、支払い額は別物にしようということだ。 だから、普通の医学的な病名の付け方とは違う形の分類を考えているわけだ。
出来高払いか包括払いか?出来高払いとか包括払いという言葉もよく耳にするようになった。 出来高払いと包括払いを簡単に説明すると、出来高払いというのは医師にとって天国、患者にとってもかなり天国、保険者にとっては地獄というシステムだ。
医師は医学的に必要だという判断で、何か医療行為をすると全部お金が支払ってもらえる。 患者にしても、医師がそういうふうにやってくれるなら、過剰な診療をされる恐れはあるけれど、病気を治したいということを前提にすれば、過剰と過少を比較すれば過剰の方がいいわけだ。
副作用が起きるとか、痛いならば別だが、不都合がなければ濃厚治療の方がいい。 後述するが、包括払いとの関連で、いま厚生労働省が一生懸命調査をやっているところだ。
後でも少しそのデータを紹介するが、いずれその結果が発表されると、どの病院はどの病気に対しどのくらいの値段で治療を行っているかという平均的な数字が徐々にわかってくると思われる。 いまでも、すでに自分のところでそういうデータを持っていて解析している病院もある。

ただ、いまの状況では他の病院との比較ができないし、なまじ他の病院と比較しようとすると、上述したように、軽症患者ばかり診察している病院であれば、費用が安くなったりするので、現在のところは正確な比較は難しい。 検査でも、たとえばCTなどは別に痛くも痒くもないので、ちょっと頭が痛いとき、医師が「念のためにCTを撮っておこうか」といえば、患者も同意して撮っていたという時代があった。
だから、医師の診療に応じて保険者が支払うという「出来高払い」は医師にも天国、患者にも天国だった。 2者とも天国でいい、とずっと思っていた。
医師と患者の間で、ちょっと経済学的な言葉でいうと「部分最適化」みたいなことが起こっていたわけだ。 部分的に最も適しているという状況である。
ところがひとつ地獄をみる立場があった。 それは費用を支払う保険者だ。
本当はここが費用を支払う立場だから、一番重要なところのはずだった。 実際に保険財政が問題になってきて、保険者が「それではちょっと困る」ということを医師と患者の間に入り込んで文句をいうようになってきた、というのが現在の構図である。
だから最近、日本の医療の満足度が落ちてきたというのも、そのあたりにも原因があると推定される。 そうなったときに、どういう仕組みがあり得るのだろうか。
いままでは医師と患者が納得すれば、すべてオーケーだったが、そうではなくて、保険者が管理をしなければいけないという話になってきた。 実は、この点は日本よりアメリカの方が早く問題になっていて、現在、アメリカで行われている仕組みが「包括払い」である。
包括払いの種類包括払いにもいろいろ種類があり、一番わかりやすいのは、「この患者には1日にこれだけしか払いませんよ」というものだ。 しかし最も高度な形の包括払いで、今後一番やらなければいけないのは、病気によって支払いを分ける包括払いだ。

さきほどDRGという言葉を使ったが、たとえば同じ糖尿病でも合併症のある人もいれば、ない人もいる。 そこで、糖尿病のなかでも合併症がある人のDRGを分けて、包括で支払う額を変えるわけだ。
たとえば合併症のない糖尿病が1だとすると、目の合併症があれば1.5、腎臓の合併症があって透析していれば、と決める。 これは包括払いの理想の形だ。
出来高払いは基本的に1種類だが、包括払いというのは1種類ではない。 いろいろな仕組みがあるわけだ。
では、日本にはいま包括払いはないのかというと、そうではない。 上述した簡単なタイプの「日あたり包括」というのがある。
これを1日定額払いと呼ぶこともある。 これは高齢者の療養型病床に使われており、こういった病院はあまり高度な治療はしないだろうという前提がある。

厚生労働省にしてみると、多くは寝ていてちょっとした医療・看護をしている患者用なので、1日いくらと決まっていてもいいだろうという発想で、これが「1日あたりの包括払い」というものだ。 今後の日本はどういう包括払いを導入するか、特にDRGに関連した包括払いを導入するかという点で、最終的な目標である診断別に分けることについて厚生労働省がいろいろ調査をしている。
というのは、これは医療機関に支払う金額を決めることなので、間違った決め方をすると潰れる病院が出てきたり、治療を受けられない患者が出てきたりする可能性があるためだ。 そのため、いま慎重にトライアルをしているという状況だ。
だから日本で百パーセント行われるかどうかはわからないが、いずれにしても細かなところでは、どんどん「まるめ」といわれる包括払いが導入されつつある。 もう少し具体的にいうと、たとえば糖尿病の生活習慣病指導管理料みたいなものは、どんな指導をしても値段はこれだけと決まっている。
栄養指導をしようが、運動指導をしようが、何をやっても額が決まっている。

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